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私の体験談

65歳を過ぎてからも、新たな仕事にチャレンジしご活躍されていらっしゃるかたの体験談を3例紹介します。

 

1.介護アシスタント(女性・人吉市)

介護アシスタントとして介護老人保健施設「リバーサイド御薬園」(人吉市)で働く人吉市の中津未子さんをご紹介します。介護に携わっている人、介護を受ける方とその家族に感謝されながら、その仕事を通じ、社会における自分の役割を確認でき、また、いきがいも感じられておられるそうです。

◎介護アシスタントとは
介護アシスタントの役割は、介護専門職員が介護に専念できるように、ベットメーキング、配膳、館内清掃など身体介護以外の簡単な業務を担うことにより、介護専門職員の身体的・精神的負担を軽減させることです。結果として、介護現場をスムーズに動かすことにより、介護される方の満足度向上につながっていきます。

65+(65歳以上)は、これまでの人生経験や知識の豊かさで、この介護アシスタントの役割を十分に担える存在です。

 

(1)中津末子さん(介護アシスタント勤務歴3年)のコメント

●体力に自信がなくなり退職しましたが、働ける自信を得たいと思い就労しました。
●若い人(自分の子供と同年齢)達と接することで刺激になり、逆に若い人たちに教える場合もあり、生活にメリハリが出来て働くことが生きがいになっています。
●社会における自分の役割を確認でき、自分に自信が出来ました。
●誰でも出来る日常的な仕事なので、敬遠せずに先ずやってみることです。
●介護アシスタントを考えておられる方へのアドバイスは案ずるよりも産むが易しです。

※中津さんと一緒に働く他の介護アシスタントの皆さんの就労動機等
・孫の世話もしている。早朝の就労時間であれば、普段の生活に支障なく働ける。
・親や夫の介護も落ち着いたので、気軽に働きたい。
・介護専門職は自信がないけど、毎日同じことの繰り返しであればできそうな気がする。
・午前中別の仕事もしているが、午後も短時間であれば働きたい。
・育児中で夜も眠れないことがある。育児が落ち着くまでは、あまり、責任の重くない仕事であればやってみたい。
・精神的に落ち込んでいた時に、家族から薦められた。

 

(2)介護専門職員の皆さんのコメント

●肉体的負担が軽減したと同時に、気軽に声を掛けて精神的に支えてもらえます。
●生活経験が豊富で学ぶことが多く、安心して任せられます。居てくれるだけで安心です。

 

(3)介護老人保健施設「リバーサイド御薬園」統括管理部長の梅田三智代さんのコメント

●介護専門職員の確保に悩んでいた時、全老健(三重県)の介護アシスタント事業の取り組みを知り3年前に始めました。
●介護アシスタントが直接身体介護以外の業務(ベッドメーキング、配膳、館内消毒)を担うことで介護専門職員の肉体的負担が軽減され、精神的に余裕ができて労働環境が改善し、介護専門職員が接する利用者の満足度も向上しました。結果的に利用者が定着し、介護専門職員の離職も減りました。
●高齢者と若い介護専門職員の媒介役(バッファー)となり、業務以外でも若い従業員の手本(報告・連絡・相談の基本、言葉遣い、礼儀など)になっています。
●介護専門職員とアシスタントの分業を明確化し、個々のライフスタイルに合わせて就業時間と仕事を調整することができました。専門職と介護アシスタントの間を調整するコーディネーターの役割が大きいと思います。
●介護専門職員の仕事を調整し、高齢者が担当できる仕事を検討することにより介護アシスタントのメリットが見えてきます。始めから否定的に考えるのはもったいない。是非、前向きに考えていただきたい。

 

■リバーサイド御薬園での介護アシスタントの業務
※就労時間は介護アシスタントの希望に合わせて調整
【日中 9:00~16:00】
① 食堂片付け・準備
(下膳・テーブル拭きと消毒・床清掃・お茶・おしぼり等の準備)
②エプロン・おしぼり等の洗濯
③配膳車の返却
④口腔ケアセットの洗浄
⑤居室清掃・シーツ交換・ベッド清掃
⑥オムツ補充・汚物回収(オムツカート・トイレ等)
⑦外部清掃
【夕方~(16:00~19:00)】
①温泉棟清掃
②食堂準備(エプロン・水・お茶・おしぼり等)
③食堂片付け(下膳・テーブル拭き・消毒・床清掃)
④エプロン等の洗濯
⑤配膳車の返却
⑥ポータブルトイレ配り・居室のごみ収集
⑦窓やカーテン閉め、湯たんぽ準備
⑧加湿器の水補給

 

2.介護アシスタント(男性・熊本市)
介護老人保健施設「フォレスト熊本」(熊本市)で働く男性介護アシスタント(中央の74歳男性)をご紹介します。

(1)介護アシスタント(男性)のコメント
Q1.この仕事(介護アシスタント)を始めたきっかけ・経緯は何ですか。
●生命保険会社の管理職を最後に定年退職。この間に職場全体の啓発活動として介護資格であるホームヘルパー2級を取得しました。定年退職後は、病院事務関係の仕事に再就職して約12年間勤務。昨年、再度働くためホームヘルパー2級を活かした職種で就職活動を行い、ハローワークからの紹介3社目となるフォレスト熊本の介護アシスタントとして採用して頂きました。

Q2.ここで働いて良かったこと、また働く前と後では、ご自身が何か変化を感じていらっしゃいますか。
●就労から約1年経過しますが、気持ちも落ち着き一日が楽しく感じます。

Q3.雇用形態はどのようになっていますか。
●週4日(火・水・金・土)勤務で1日4時間の就業時間となっています。

Q4.もう一度働いてみようかな、とお考えの同年代の方にアドバイスやメッセージがあればお聞かせ下さい。
●仕事を通して人の役に立てることは、やりがいや気持ちの落ち着きにも繋がると思います。

 

(2)職場の同僚(有資格、正規雇用者)のコメント
Q1.高齢者が新しく仲間に加わって、何がどう変わりましたか。(仕事の量。職場の雰囲気など)
●言葉遣いや利用者に丁寧にやさしく接している場面を見て自分たちのケアを振り返る良い機会となっています。仕事の内容は私たちが行う直接的なケアの周辺業務を担って頂いており、ゆっくりではありますが一つ一つ着実に業務を覚え、ご利用者ともコミュニケーションが上手にとれています。慌てず焦らず、丁寧に対応されているので、周りも自然とそのペースの中に引き込まれています。高齢者が周辺業務をしてくれている分、私たちは介護の専門職としてケアに集中することができています。

 

(3)事業者(介護老人保健施設「フォレスト熊本」)のコメント
Q1.高齢者を活用しようとしたきっかけは何ですか。
●介護の仕事は専門性を求められる業務からテーブルの清掃など介護の周辺にある業務まで幅広くあります。介護福祉士などの資格者は、より専門性の高い業務に集中させることで介護の質を向上させることを考えました。そこで周辺業務を担う人材を高齢者に求めた訳です。

 

Q2.高齢者を活用したことで、具体的にはどんなメリットを感じていますか。
●経験豊富な方たちで、高齢者施設のご利用者とのコミュニケーションを図るのが上手で場が和みます。また、高齢者ならではの気付きや落ち着きで若いスタッフも勉強になる点も多いです。

 

Q3.高齢者を活用してから解ったこと、気付いたことはありますか。
(想定していなかった困りごととして)
●高齢なため体調が日によって違うこと(例えば血圧が高いなど)職場で体温測定は全職員が実施していますが、寒い日や少しおかしいと思った時には血圧を測ってもらうこともしています。
(想定していなかったメリット、副産物として)
●とても目が行き届き当初予定していたより、業務の幅が広がっていったことです。

 

Q4.高齢者に気持ちよく働いていただくために、特に留意されている点や工夫されていることはありますか。
●人生の先輩として、尊敬の念を持って迎えることです。
●業務を一度に覚えてもらうのではなく、一つの業務がクリア出来たら次というように段階を踏んで覚えてもらっています。

 

Q5.これから高齢者活用を検討されている事業者へのアドバイスやメッセージがあればお聞かせ下さい。
●高齢者といってもまだまだ現役として戦力となってもらっています。
どの部分を高齢者に任せられるか、任せることで全体の業務の質の向上と効率化が図れると思います。経験豊富な高齢者は職場に良い風を吹かせてくれると思います。

 

3.コールセンター(女性・宇城市)

宇城市にある食品の通販会社で、コールセンター業務に携わっていらっしゃる緒方正代さんの体験談をご紹介します。

 

お勤め先は株式会社大嶌屋(おおしまや)さん。北海道から沖縄まで合計350軒以上の契約農家様より、旬のフルーツを顧客の玄関先まで直送する通販会社で、ほかに熊本名産の馬刺しやお菓子、スイーツなども取り扱っています。パートさんも含めた全従業員の実に15%以上が65歳以上で70代のかたも8名。10代の新入社員から、最高齢は77歳の男性まで、幅広い世代が同じフロアで活躍しています。

この2月に古希を迎えられた緒方さんにお話を伺いました(写真中央の女性)。

Q.入社のきっかけは?

A.前職(ショッピングセンターの事務局長)のときに仕事のご縁で、創業者である大嶌社長にお会いしました。そのときのパワフルな人柄に惹かれ、定年退職を機に入社することにしました。

Q.現在のお仕事内容は?

A.お客様からのご注文などの電話対応を行っています。コールセンター業務は初体験で、これまで培ったスキルと直結せず最初は不安でしたが、今では仕事が楽しくもう6年目を迎えています。

Q.ここで働いてよかったと思うことは?

A.たくさんのお客様と触れ合えることです。特に、同年代のお客様とは話が合います。家族のこと、健康のこと、趣味や悩み事相談まで幅広くお話をしているうちに、自然に商売のお話につながることもよくあります。ときにはクレームのお電話をいただくこともありますが、誠意を持って対応したあとで感謝や喜びの声をいただいたときなどは、ここで働いて良かったとしみじみ感じます。いまではたくさんの友人が日本中にいてくださる、という感覚で、ご指名でのお電話をいただいたり、趣味で作られた物を送っていただいたお客様もいらっしゃいます。

Q.いつまでお仕事を続けたいですか?

A.まだまだ多くのお客様と繋がっていたいので、働けるうちは出来るだけ長く続けたいです。

 

同じ職場にいらっしゃる新入社員のかたにお話を伺いました。

Q.貴女にとって緒方さんはどんな存在ですか?

A.年齢はちょっと離れていますが、ひとことで言えば「いつも笑顔の職場のお母さん」です。お客様とのやりとりがうまくいかず悩んでいると、話し方、話す内容などについて的確なアドバイスがあり、メンタル面も含めて助けられています。仕事だけでなくプライベートでもいろいろと相談に乗ってもらえる、とても頼りになる存在です。

 

総務部門のリーダーをされている木村さんにもお話を伺いました。

Q.緒方さんの仕事ぶりはいかがですか?

A.前職で身に付けた専門スキルよりも、むしろこれまでの社会経験、人生経験がコールセンター業務にうまく活かされていると思います。営業成績はいつもトップクラス。若手のよき手本でもあり、アドバイザーでもあり、とても頼りになる存在です。

Q.緒方さんだけでなく多くのシニアが活躍されているのはなぜですか?

A.年齢に囚われず、先入観を持たず、それぞれの個性を活かせる職場環境作りを心がけています。定年制度は一応ありますが、適用したことはなく、働けるうちはいつまでも続けていただくようにしています。

 

部門間に壁や仕切りがなく、全従業員がワンフロアで見渡せる風通しのよい職場